マシュマロな彼

・苦悩







「どうしよう……」


「ん?どうしたの…桜」


「………なんでもない」




心地よい風が吹き抜ける道をトボトボと歩く。



隣には、鼻歌なんか歌ってご機嫌な雪の姿。




この道は普段、車の通りが多いはずなのに今日に限って少ないものだから



会話会話の間の沈黙が重い。



というよりかは、今は雪と楽しくお喋りなんてする余裕がないんだ。





「桜……なにかあったの?」



……鈍感な雪ですらわかるほど。


「ううん。何にもないの」




道路に転がっていた石をぽん…と蹴りながらも



雪に気付かれないようにと平然を装った。



………これから先、私はどうしたらいいの?


ただ、雪のことが好きってだけなのに。






< 188 / 281 >

この作品をシェア

pagetop