マシュマロな彼

・出会い





一日中、ぼんやりと過ごしてあっという間に終わってしまった。



大きな変化なんて、期待していたほどにあるはずも無く……。




「はぁ………」


大きな雲が気持ちよさそうにふわふわと浮く青空を見上げた。



授業が終わって、雪と一緒に帰ろうと思っていたら



いきなり邪魔者が現れたんだ。



そう……、私の永遠の天敵。


恋ちゃん。



綺麗に巻かれた髪の毛を耳にかけながら、雪と話す恋ちゃんを私はただ見ていた。



一通り話が終わったのか、すぐに離れて行った恋ちゃん。



雪はジッと見ている私に気付いて先に帰っているように言った。


わけを聞くと、委員会があるらしい。



そうなんだ…。


恋ちゃんと雪は、運悪く同じ委員会。


だから、二人で残ったりすることもしばしばあるんだって。



膨れっ面になった私を見た雪は、人差し指でほっぺを突いた。



じゃあ、桜の木のところで待ってて



耳元で囁かれた言葉に、真っ赤になりながらもそう言われた事が嬉しくて


コクコクと何度も頷いた。




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