マシュマロな彼




「桜~俺、臭うかなぁ?」



雪が体中をくんくんと嗅ぎながら小声で話しかけてきた。



そ、そうだった……。


昨日、お風呂入ってないんだぁ―――…。


そう思ったら、瞬間的に周りの人と距離を置いた。




絶対臭いよ。私、臭いよ……。


ちょっと嗅いでみてなんていうから、雪を嗅いでみたんだけど



「雪は臭くないよ。なんだか、甘い匂いがする」


雪からは、ほんのり甘い香りがしていた。



それは、マシュマロを食べたせいかな?


いや…、でも私だってマシュマロ食べたし。


雪はさておき、私は絶対臭いよね……。



ふと頭の中に、昨日の体育の光景が浮かぶ。



トイレに……いこ。




不思議そうにこっちをみている雪をおいて、人を避けながらトイレへと向かった。




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