マシュマロな彼



「桜ぁ~ただいま!!」


「あっ、雪……おかえり」


「ん~…どうかした?」


「あのね、さっきね……やっぱり、なんでもない」


「気になる…さっき何?なにぃ――っ」


「なんでもないってば~」


「ふぅん。あっ、そうそうこれね新発売だったんだぁ」



雪の手のひらの上にポツリと袋には、「チーズケーキ味」という文字。


その中身は、やっぱり……


「マシュマロ?」


「そう!!今朝コンビニに置いてあってね、これがまたおいしいんだよ!!桜も1個食べてみる?」



「………遠慮しとく」


私の大好きなケーキの味のマシュマロをおいしそうに頬張る雪を見ても、何故だかおいしそうに見えない。



絶対おいしく無いと思うよ……それ。



なんて、ちょっぴり傾いた夕日に思った。




< 244 / 281 >

この作品をシェア

pagetop