マシュマロな彼

・ふわふわ





―――――ジャー…



ふわふわする意識の中、どこからか水の音が聞こえてきて、私は閉じていた瞳を薄っすら開けた。


目の前に広がる、見慣れない景色……


一瞬戸惑ったものの、「あぁそうか…」とこうなるまでの経緯を思い出し、再び瞳を閉じようと……って



「……あれ?」


上半身だけを起こして部屋の中をグルっと一周見渡してみたけど……


「ゆき……?」


雪が見当たらない。



ボサボサになった髪の毛を手櫛でときながら、水音がする方へ足を進めると、そこはお風呂なようで


籠の中に入った雪の服を見つけ、ホッっと胸を撫で下ろした。


って、あれれ?


………なんでこんなに不安になってんの?



雪がちょっといなくなっちゃっただけで、どうしようもなく不安になっちゃった自分。


そして今感じたこの安堵感……。



私、雪がいないとダメみたいだ。






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