青い春の真ん中で
恋を失う時
繰り返す波の音。

今夜は月がきれいで、夜の海も嫌いではないけれど。

今日の海は寂しい…

寂しい。寂しい…って泣いてるように繰り返す波の音。

そっと耳を傾けていると、

「パパ、ママごめんなさい…」

消え入りそうな女の人の声。

って怖いんですけど⁈


恐る恐る辺りを見回す私の瞳にうっすら見えたのは…


防波堤の淵に立つ女の人。

女の人の体が海へと傾いていく…
この雰囲気、もしかして…


だ、誰か…!
って、そもそも他に人がいないし。



本当に落ちちゃう。
こんなとこから飛び込んだら死んじゃう…‼︎

やだ、ちょっと…待って!

………

そもそも、なぜこんな時間に私がここにいたのか。

遡ること1日前…




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