赤いりんごの青い果実


「涼宮にあんなことしといて何言ってんだって感じだけどねー」


『ぜ、全然!気にして、ななないよ』


「ちょっとは恨めよーもー」


ははは、と困ったように笑う。

表情が、ほんの少しだけど苦しそうだった




『な、ならあの…よか、ったら』


「ん?」



そよそよと風になびかれた髪を、彼女は耳にかけ直す


『とと、友達にな…ってくださ、い!』


私が半ば叫ぶように言うと、


「もちろんいーよ」


に、と歯を見せて、ようやく心から笑った


その顔は心なしか、
とても晴れやかで…とても綺麗だった


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