漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】
そう思って、すげぇ心強かった。
この男は、信用出来る。
そう思ったんだ。
俺は、この男に妙な期待をしてしまっている。
"もしかしたらこの男が、俺ら兄弟をまた光の元へ連れ出してくれるかもしれない。"
なんて。
大袈裟かもしれないけど、本気でそんな事を考えてた。
俺に一つ微笑みかけて、片手を挙げながら暗闇の中に消えて行く栗山を見ながら、
俺は頬を伝った温かいものに、そっと触れた。