カタブツ上司に迫られまして。
「俺はお前に好意を持っていると表明してんだし、今までもマズイとは思うが、今回はもっとマズイ状況だろ」
そうですねー。言っている意味は解るけれどね。
例えば、最初から私と課長が彼女と彼氏で、部屋が燃えちゃったから、彼氏の家に転がり込んだ……。
その状況とは、また別のお話。
上司と部下よりも先に、男と女なんだし、ひとつ屋根の下に二人きり。
何が起きても、文句は言えない状態なのは解っているし、昨日、実は一晩考えてみたりもした。
人間、死ぬ気になれば、どんなことだって出来るとは思うけれど……。
「私は……一応、前向きに考えていますよ」
囁くようにして呟くと、課長の驚いた顔が見えた。
「え。前向きに考えてんの?」
それで? と言う、心の声さえ聞こえて来そうな声音だけれど。
「私は、そもそも課長は怖くて苦手ですが、嫌いじゃないですから」
「……怖いと嫌いは直結しそうな感情だがな?」
それはそうなんだけれど。課長は怖いだけでもないでしょう?
それは最近、気がついた事だけど。
「課長は課長である前に、笹井祐って人なので、こうして家にいる時の祐さんが、課長本来の姿でしょう?」
縁側でゴロゴロしたり、スイカの皮を庭に放り投げたり、敬語がうぜぇとか言ったり。
その割りに、ある意味で真面目。
普通の男なら、今の状況を利用してくると思うけど、私に忠告まで言ってきたりして。
祐さんは怖くないし、どちらかと言うと好みなのよ、きっと。
好き放題に人をからかってくるし、からかって楽しんでいる気もするけれど。
私が作ったご飯でも、美味しそうに食べてくれるし。
「……好きだとは断言できませんが」
「お前、軽くSだろう」
「人の事は言えないでしょうに」
睨み合いながら食べ終わって、それから二人同時にお水をゴクゴク飲んだ。
そして、お皿を重ねて片付けようとする私に、課長は首を傾げる。
「押してもいいのか?」
「今までだって押してきていたくせに、何を今更言っていますか」
呆れたように言うと、ニヤリと笑われた。
そうですねー。言っている意味は解るけれどね。
例えば、最初から私と課長が彼女と彼氏で、部屋が燃えちゃったから、彼氏の家に転がり込んだ……。
その状況とは、また別のお話。
上司と部下よりも先に、男と女なんだし、ひとつ屋根の下に二人きり。
何が起きても、文句は言えない状態なのは解っているし、昨日、実は一晩考えてみたりもした。
人間、死ぬ気になれば、どんなことだって出来るとは思うけれど……。
「私は……一応、前向きに考えていますよ」
囁くようにして呟くと、課長の驚いた顔が見えた。
「え。前向きに考えてんの?」
それで? と言う、心の声さえ聞こえて来そうな声音だけれど。
「私は、そもそも課長は怖くて苦手ですが、嫌いじゃないですから」
「……怖いと嫌いは直結しそうな感情だがな?」
それはそうなんだけれど。課長は怖いだけでもないでしょう?
それは最近、気がついた事だけど。
「課長は課長である前に、笹井祐って人なので、こうして家にいる時の祐さんが、課長本来の姿でしょう?」
縁側でゴロゴロしたり、スイカの皮を庭に放り投げたり、敬語がうぜぇとか言ったり。
その割りに、ある意味で真面目。
普通の男なら、今の状況を利用してくると思うけど、私に忠告まで言ってきたりして。
祐さんは怖くないし、どちらかと言うと好みなのよ、きっと。
好き放題に人をからかってくるし、からかって楽しんでいる気もするけれど。
私が作ったご飯でも、美味しそうに食べてくれるし。
「……好きだとは断言できませんが」
「お前、軽くSだろう」
「人の事は言えないでしょうに」
睨み合いながら食べ終わって、それから二人同時にお水をゴクゴク飲んだ。
そして、お皿を重ねて片付けようとする私に、課長は首を傾げる。
「押してもいいのか?」
「今までだって押してきていたくせに、何を今更言っていますか」
呆れたように言うと、ニヤリと笑われた。