ルームシェア。


「きゃっ…」


ドンと誰かとぶつかったようだ。

やべー!全然見えなかった!

俺の目線よりずっと下にある頭にすぐ気づいた。

なにしろ俺は180オーバーだ。許してくれ、本当に見えなかったんだ。


「えっと、すんません…」


俺がそう謝れば、つむじしか見えなかった頭が上を向き、その人と目が合う。

うわっ。かなりの美人だ。

美人というよりも可愛い方の部類だ。

カラコンとか二重とかにするやつとかたぶんしてない自前の大きな目に少し薄めの唇に男の俺でもわかる薄めの化粧なのに綺麗な肌。

今まで付き合ったり、遊んだりした女達がかなりの厚化粧だったから新鮮に見える。

ぶっちゃけて言うと結構俺のタイプだったりする。

でも、なんだ?何かこう…違和感というか、初めてな気がしないような…。

そんなことを思って、ハッとする。

その人もなんだか不思議そうに俺を見ていた。

しまった。見過ぎだ…。


「あー…えっと、本当にすみません」


俺はそそくさとその場から離れようとした。

なんだか気恥ずかしくなり、早く離れたかった。

だけど、


「あ、あの!」


その人は俺に声をかけた。

< 2 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop