ルームシェア。

意味がわからない。

なんで今この状況で笑うんだ。


「…何笑ってんだよ」

「ごめんね!あのね、私って黒崎くんはもっと怖い人だと思ってたの」


眉を八の字にして姫島はそう言った。

まぁ、そう思うのは当然だ。

中学の頃は部活の連中ばっかとつるんでたけど、高校に入ってからは…まぁ、そういうお友達とつるんでた訳で、そう思われるのは当たり前だ。


「でもね、こうやってちゃんと止めてくれたのは黒崎くんが始めてなの。黒崎くんって、優しいんだね」


そう嬉しそうに喋る姫島を見て、なんだかわかった気がした。

あぁ、学生時代は姫島のこういうとこがモテていたんだなって。

てっきり姫島は、腹黒くて媚びてて、性格が悪いやつだと思ってた。

まだ少ししか話してないだろって思うけど、これはわかる。

姫島のこれは、素だ。

抜けててぽわぽわしててなんかすげー心配になる。

今だに、にこにこしてる姫島のカフェラテのカップに手を伸ばし、蓋を開けてそのカフェラテだった砂糖水を飲む。

突然のことに姫島は目を丸くしている。

うわっ甘っ…。

飲み終わったことを確認してすぐさま自分のコーヒーを飲む。

うん。ちょうどいいくらいだ。
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