何時かの約束達。 


クリック後、、、


「こんばんは」

早速書き込まれた。
 


私も慌てて

「こんばんは」

と打ち込む。




チャットの会話にはお決まりコースがある。


まず挨拶
その後、性別と年齢確認

男性側は、男と打つとチャットが高い確率で終了するらしい
基本的に嫌なら自ら会話を終了させる機能がある。



今回も……
お決まりコースを辿ると思っていた。



「男だけどいいですか、、、?」

控えめな書き込みだった。



大体、
「 男。」っていう素っ気ない書き込みが多い。

だからって訳じゃないけど、、
「 女 」と可愛げなく打ち込む。



こういう文面から人の良さが解ってくる
というのは嘘。

言葉選びなんて誰だって出来るし嘘をついていい人を演じる事なんて容易い



だけど…
文字だけの世界。

普通の会話が出来る=リアルな世界なら当たり前なこと

なのに…
嘘で溢れているここでは凄いこと
当たり前のことが当たり前じゃない

感覚が麻痺してくる




「どちらでも大丈夫です。
 因みに私は女ですが大丈夫ですか?」


と彼に合わせ控えめに打ってみた。




「宜しくです。」

「こちらこそ宜しくお願いします。」



これが彼と私の初めての出会い







< 3 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop