俺のそばから離れるな‼︎

そばにいてやるよ



入学式から1週間。


私は誰とも関わることなく、下を向いたまま教室でやり過ごした。



1年生は3クラスしかないから、1クラスに1人しか女子がいない。



貴重な女子なんだから、同じクラスにしてくれても良かったじゃん!!


最初はそんな風に思ったし、先生を恨んだりもした。


だけど、過ぎ去ったことをいくら考えてみても意味がないってことに気付いてからは考えるのをやめた。


男子校の中に女子が1人混ざっている。


そんな気分。


ううん、気分じゃなくて実際そうなんだけど。



「さくらちゃ〜ん!今日これから俺らの部屋に遊びに来ない?」



「ムリです」



「えー?なんで〜?何もしないよ〜?」



「信じられるわけないでしょ?」



ヘラヘラ笑う男の目の奥は妖しく光っていて。


身の危険を感じてサッと離れた。


この教室にいる限り、心が休まる時なんて一時もない。



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