深愛なる君へ、この愛を捧げます。
4話『君が目覚めたら』




「しあわせなら、てをたたこ。ぱんぱん!
しあわせなら、てをたたこ。ぱんぱん!」




手を叩くべきところの効果音までも歌ってしまう日海は、とても可愛らしいと笑ってしまう。




今は紙に書かれたところに行くため、車で移動中。




朝から保育園に電話をして、急遽日海が家の用事で休むことを伝えた。
私が電話をしていたら、日海が保育士さんと話したいと言って受話器を取られた。




保育士さんから『にっちゃんすごく楽しそうですね』と言われたように、今日の日海はすごく楽しそうだった。




今だってこうして歌を歌いながら足をバタバタと上下に動かしている。




「ママ!ママ!これからどこにいくの!?」




運転しているから直接日海は見れないけど、キラキラと輝く瞳で私を見ている日海が視界に入った。




赤信号になり車を止めると、日海を見た。




「これから行くのはね?ママがパパと出会った場所でもあり、初めてデートしたところよ」


「でーと?でーとってなに!?」


「えぇ!?んーと…二人でお出掛けするってことかな?」




まさかデートの意味を聞かれるとは思わず、分かりにくい説明をしてしまった。




そのせいで日海は「じゃあ、ママとにかがお出かけしてるのもでーとだね!」と違う風に理解してしまったよう。




これはもう成長していく中で自然に理解してくれればいいかな…
女の子同士でもお出掛けすることデートって言うしね。




なんてポジティブに考えながら、最初の目的地に向かって車を走らせた。




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