ブルー時々、蒼。

「…良かったの?」


今のは完全に、わたしたち二人の仲を親に認めさせよう、という魂胆がみえる。これで、うちのお母さんにも、お母さんと古くから仲が良い蒼ちゃんのお母さんにも知れるだろう。


「なに」
「なに、って。あんなこと、お母さんに言って」
「別に俺は悪者でもなんでも構わねぇんだよ。お前に、嫌われなきゃな」
「、」


通い慣れた、松キャンまでの道。並んで歩くことはあっても、手を繋ぐのは初めて。
このまま触れ合った手のひら全部から、ぬくもりだけじゃなくて蒼ちゃんの血液までも流れ伝ってきたらいいのに、なんて。

ヤバいことを思ってしまう。幸せ過ぎて。


「…わたしは、蒼ちゃんの彼女、なの?」
「お前しか抱きたくねぇ」
「っ、」
「経験ないけど、これからずっと、そうだから」


そんな宣言までは、求めてなかったんだけどな。

本来白だったはずのわたしの世界を真っ青に、塗り替えた人。
虹色なんか望まないわ。一生、蒼さえあれば、それでいい。ブルー時々、蒼でいい。あなたさえいれば。

顔を上げて、夜の匂いを宿した風を浴びる。
目が合うと、蒼ちゃんは少しだけ笑ってくれた。



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