あのね、先生。-番外編-

｢…まぁ、もし俺があの人のこと苦手でも、それを表に出さなきゃ何の問題もねぇだろ。｣

｢出てるから言ってんじゃん｣

｢うっせ｣

そんなに出てんのか。

指摘されたのは白城が初めてなんだけど。…いや、本人にもされたか。

だったらやっぱり表情や態度に出てるのかもしれない。


｢つーかお前、何しに来た｣

｢言ったじゃん、たまたま休みで近くまで来たんだって。中村さん暇してんだろうなって思ってさ｣

｢暇じゃねぇわ。まだまだ仕事残ってんだよ、山ほどな｣

…そういえば、篠原先生のことがあって話した時以来、まともに吉野先生と話した記憶がないな。

無意識に避けてたのか、避けられてたのか。どっちでもいいけど、それにすら気づかない辺りあの人に興味がないってことなんだろう。

わざわざ話しかける用事も、話しかける仲でもないし。