あのね、先生。-番外編-
「だからこの2人はねぇなって勝手に予想してたんだけど、卒業して大学生になって、いつのまにかくっついてんじゃん?」
確かに高校3年の新学期、あたしは初めて会った白城くんのことが苦手だった。
合わないタイプだろうな、って深く関わらなくても分かってた。
それなのに、いつのまにかこんな関係になってるんだから、やっぱり何が起きるか分からない。
この状況が信じられないのは、中村先生だけじゃなくてあたしも同じ。
「何が起こるか分かんねーもんだな」
その言い方が何だか、おじさんみたいで面白くて吹き出した。
「あはは、中村先生おじさんみたい」
「バーカ、もう普通におじさんだろ」
「何言ってるんですか、まだまだ若いですよ。さすが体育教師」
篠原先生と似て、きっとこれからもずっと若いままでしょう。
白城くんが心配する理由が分かった。
確かにこの人に彼女が出来ないのはもったいないし、下手したら結婚しなさそうっていうのも分かるなぁ。