俺様紳士の恋愛レッスン
帰宅中、電車の窓からぼんやりと外を眺めていると、ふと、今日から暫くタカちゃんが居ないということを思い出す。


こうして年に何回か、タカちゃんはアトリエに籠る。

だからといって淋しいという気持ちはもう、とっくのとうになくなってしまった。


時折私は薄情な人間なのではと疑ってしまうけれど、既婚者の友人曰く「何年も一緒にいれば自然とそうなる」らしいので、そんなものかと変に納得してしまっている。



駅に着き、家に向かって歩いていると、不意に道の脇に佇むメルヘンな看板が目に留まる。

近寄ってみると、そこは手作りケーキが美味しいと評判の洋菓子店だった。



「うん、残業頑張った自分へのご褒美にしよう!」



盛大な独り言を呟き、意気揚々と扉の前にやってくると、そこには『CLOSED』と書かれたプレートが掛けられている。


そこで、既に21時を回っていたことを思い出した。

そりゃ閉まってるよね、と嘲笑を浮かべながら、まだ明かりのある店内を覗き込んだ。

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