好きだからキスして何が悪い?
さっき手首を掴まれた一瞬、この手は如月くんじゃないかって、性懲りもなく期待してしまった。
でも、現れたのは琉依くんで。
もうきっと彼は来ないなって、直感したんだ。
だけど、来ない理由を聞くのが怖い。
フラれて当然って思っていたはずなのに、全然覚悟できてないや、私……。
「少しだけ、夢見ちゃったよ」
バイトの時、仲直りできて、ちょっといい雰囲気になれて。
こんな私でも、もしかしたら如月くんと距離が縮められているのかも、って。
そんなこと、あるわけないのに。
彼が私のことは好きじゃないってこと、忘れちゃいけなかったのに。
「でも、来てほしかった……」
本音がぽつりとこぼれて、賑やかな雑踏に消える。
『俺も付き合ってやる』って言葉、現実にしてほしかった。
また目に熱いものが込み上げてきて、地面がぼやけていく。
「ナンパされちゃうくらい、今日は可愛くしてもらったのにね! 全部、無駄だったなー……」
泣いているのをごまかしたくて、わざと明るい口調で言おうとしたのに、声は上ずって喉も詰まってしまう。
涙は溢れる一方で、堪えようと必死に唇を結んだ。
でも、現れたのは琉依くんで。
もうきっと彼は来ないなって、直感したんだ。
だけど、来ない理由を聞くのが怖い。
フラれて当然って思っていたはずなのに、全然覚悟できてないや、私……。
「少しだけ、夢見ちゃったよ」
バイトの時、仲直りできて、ちょっといい雰囲気になれて。
こんな私でも、もしかしたら如月くんと距離が縮められているのかも、って。
そんなこと、あるわけないのに。
彼が私のことは好きじゃないってこと、忘れちゃいけなかったのに。
「でも、来てほしかった……」
本音がぽつりとこぼれて、賑やかな雑踏に消える。
『俺も付き合ってやる』って言葉、現実にしてほしかった。
また目に熱いものが込み上げてきて、地面がぼやけていく。
「ナンパされちゃうくらい、今日は可愛くしてもらったのにね! 全部、無駄だったなー……」
泣いているのをごまかしたくて、わざと明るい口調で言おうとしたのに、声は上ずって喉も詰まってしまう。
涙は溢れる一方で、堪えようと必死に唇を結んだ。