笑顔の裏側に
第3章 守りたい笑顔

絡み合う想い

先生が帰った後、私は手際良く家事をこなし、昨日はほとんどできなかった勉強を始める。

途中でお風呂に入って愛お姉ちゃんからもらったゼリーを食べた。

一人で食べることには慣れていたのに、一度誰かと食べる楽しさを知ってしまったからだろうか?

何か物足りなくて、食欲がわかない。

食べない訳にもいかず、無理やりゼリーを流し込み、薬を飲んでまた勉強に戻る。

2時間ぐらいすると、お母さんが帰って来た。

そして少しすると階段を登る音が聞こえてくる。

音が近づいてくるに連れて私の背筋にも変に力が入る。

するとガチャリとドアが勢いよく開かれる。

「優美、ちょっと来なさい。」

そう言われてまた勢いよく音を立てて閉められるドア。

私は覚悟を決めて重い腰を上げ、リビングに向かった。

そしてソファーに座っているお母さんの前に立った。

「どういうことか説明しなさい。」

「面談終了後、熱で倒れて先生が家まで送ってくれ

最後までいう前にテーブルの上に乗っていたティッシュが箱ごとと飛ばされる。

「そんなのはどうだっていいのよ!どうしてバレたのかを聞いての!」

どうしてって言われても…。

私の不注意としか答えられない。

うまく隠し通せなかった私を先生が見抜いたからだ。

「あんた、本当にいい加減にしなさいよ。」

何も答えない私にイラついたのか、怒りがこもった低い声が室内に響く。

そして立ち上がって私を殴り始める。
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