笑顔の裏側に
必死に人ごみをかき分けてあいつの元へ向かう。

「麻生!麻生!しっかりしろ!」

声をかけても反応がない。

俺はそのまま麻生を抱きかかえて保健室へと運んだ。

保健の柏木先生も駆けつけてくれ、ベットに寝かす。
「先生、麻生は大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。私、麻生さんがゴールした時からずっと見てたんだけど、誰かとぶつかってそのままバランスを崩れるように倒れたから頭は打ってないし。暑さからかしらね。顔色も悪いし、きっと貧血よ。だから安心して。」

よかった。大事に至らなくて。

「ありがとうございました。」

「いいえ。あとはもう大丈夫ですよ。先生は戻ってください。」

「はい。よろしくお願いします。」

なぜかまだこの場にいたい、麻生が目が覚めるまでそばにいたいと思った。

でも他の生徒のことも見なくてはならないし、これ以上ここにいたら変だろう。

俺は仕方なく保健室を後にした。
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