笑顔の裏側に
悠と店員さんがやってきた。

「あ、こちらでございますね。」

「そうです。このままつけて帰りたいのですが‥」

「大丈夫ですよ。値札だけお切りしますね。お客様、失礼致します。」

髪をかきあげられ、慌てて私も手で押さえる。

「ではお会計は店内の方で。」

そのまま付いて行く。

そして財布を出そうとした手を掴まれ、

「いいから。」

と悠が払ってしまっていた。

手は掴まれたままで、身動きが取れない。

会計が済むと、やっと手を離される。

お店を出て、真っ先にお金を出す。

だけど悠は受け取らなかった。

仕方なく財布をしまうと、手を絡めてきた。

「ありがとう。」

「俺があげたかっただけだから。似合ってんだからちゃんとつけろよ。」

空いた手でネックレスに触れながら返事をした。
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