笑顔の裏側に
第9章 不協和音な笑顔

広がる亀裂

クリスマスが終わると、すぐにお互いに実家に帰った。

お父さんとお母さんは、年末年始も仕事だけど、帰れるときには帰って来てくれて、夕食を共にすることもあった。

帰れない日は私が病院に届けに行くこともあった。

すると嬉しそうに受け取ってくれるから、私も安心して持っていくことができる。

そんな忙しい中でも、大晦日の夜と元旦の朝は一緒に過ごしてくれた。

家族の時間を大切にしてくれると実感できて嬉しく、少し照れ臭くもあった。

元旦の午後は悠と神社にお参りに行った。

おみくじの結果は中吉とまずまずだ。

悠は末吉と悪かったみたいで結んでいた。

それから数日、実家で過ごして。

帰る日の前日の夜にも家族団欒の時間を設けてくれた。

夕食の片付けが終わって、食後のコーヒーを入れていたとき。

「優美、ちょっといい?話があるの。」

デザートを出していたお母さんから声をかけられた。

返事をしてコーヒーを持ってテーブルに向かう。

私が席についたのを合図に、お父さんはリモコンでテレビを消し、お母さんの隣に座った。

改まった様子に変な緊張が走る。
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