青空の下月夜に舞う 3
別れ道


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『次は選抜リレーです。各選手の方は、入場門に……』




放送が聞こえて、立ち上がる。


左の頬が痛い。




それ以上に、私の涙腺は決壊ギリギリだった。


隣にもうさゆりさんは居ない。


一人木陰にいた私は、そのまま歩き出す。



写真を撮る人。

笑ってる人。

応援する人。



軽く息を吐く。


体育祭ってこんな気持ちでいいんだっけ。

10月なのに、暑いぐらいで。



今日ぐらい。真っ黒になってもいいじゃんって。
それが思い出になるなら。



既に祐也以外のメンバーは、入場門に集まっていて。


坂本くんに渡されたハチマキの色は黒。



よりによって、黒かよ。



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