芹沢くんの秘密。


ベルギーチョコとバニラのミックスソフトクリームを注文した。

やっぱソフトクリームはミックスに限る!


「おいし〜い!」


「お前、本当旨そうに食うよな。」


横で呆れたように笑われるけど、気にしない。
宗介も食べればいいのに。

木陰のベンチに座ってソフトクリームを頬張っていると、目の前に大きな人の気配を感じた。



「…?」



疑問に思って顔を上げてみると、そこには芹沢くんがいた。


ソフトクリーム吹きそうになった。



「せっ、せせせ、芹沢くん!?」


「川瀬さん、びっくりしすぎ。」


芹沢くんはクスクス可笑しそうにしているけど、わたしからしたら好きな人がいきなり目の前に現れたんだから、そりゃあびっくりもする。


「芹沢くん、ひとりなの?」


「一緒の班のやつら、うるさいから逃げてきた」


心底めんどくさそうに答える芹沢くん、ほんとにめんどくさそう。

わいわいがやがやしてるの、嫌いそうだもんね。


「それより、川瀬さん…


ソフトクリーム、ついてる。」


「へっ」


気づいた時には、

芹沢くんの綺麗な指が私の頬をすぅっと拭っているとこだった。


しかも、


あらぬことか、


その指を、


芹沢くん自ら舐め取ってしまった。


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