偽りの翼Ⅰ 




「あー、なんなんだよ…。」





俺には、小さい頃の記憶がない。








"記憶喪失"



俺がそんなのになっているなんて



嘘だ、しか言えなかった。




母さんは俺の記憶喪失の原因を知っているが、



絶対に言えない



と、教えてはくれなかった。



あなたが大人になったら、すべてを受け入れられる時が来たら教えるわ




と続けて。




「透、おはよ。」


そんなとき、翔が話しかけてきた。



「おはよう」



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