秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜



面倒くせぇと思いながらも、話してみたら案外、良い奴だって事も分かり、俺達は不良グループの奴らと一緒に居ることが増えた。


それから俺は暴走族に入り、単車の乗り方を教えてもらい夜にみんなで走るようになった。


警察に追われると逃げて、俺はスリルを感じで楽しんでいた。


他校の奴らに喧嘩を売られたら買っていたし、負ける事もなく、俺と圭介の名前は次第に広まった。


俺達が三年になり受験を迎えると、成績は今まで通りトップだったから俺はそれなりに偏差値の高い高校に合格した。


圭介は高校へは行かずにバイトをしてバイク弄りをしていた。


親父と約束したように、高校では真面目な振りをして、学校の外に出ると本来の姿に戻り、夜になれば暴走行為をしていた。


俺はチームの総長を任されていたが、高校二年生の夏に引退して圭介が総長になった。


引退した理由は、俺には姉ちゃんが居て病弱だった。
両親は日本には滅多には帰らないから母親代わりの姉ちゃんは、いつも俺を心配していて暴走族なんて辞めろって何度も言われていた。
無免許運転だし事故に合うとか色々と言われて、そんな姉ちゃんにイライラした俺は"ウゼェ…姉ちゃんなんか居なくなれ"そう言ってしまった。


本心じゃないけど色々と言われる事がウザく感じて遂、そんな事を言ってしまったんだ。


姉ちゃんはどこか悲しげな表情を浮かべていて、今でも俺はあの時の顔を思い出す。


だけどそれから三日後、姉ちゃんは心臓が悪くてあまり良くない状態だったから急変して、俺が暴走行為をしている時に病院に運ばれ死んだ。


家に居たお手伝いさんが姉ちゃんが急に苦しみだし、急いで救急車を呼んだが、病院に着いて間もなく息を引きとったみたいだ。


連絡が来ていた事に後で気づいた俺は、病院に急いで向ったが、姉ちゃんは死んでいた。


霊安室に横たわる姉ちゃんは死んでいるようには見えなくて、姉ちゃんは寝ているようだった。


「姉ちゃん…起きろよ!
何寝てんだ…あの日、姉ちゃんに言った事は本気じゃなくてただ当たっただけなんだ。
だからまた笑って俺に説教してくれよ!
お帰りって言ってくれよっ!姉ちゃん…」


だけど姉ちゃんからの返事はなく、俺は声を上げて泣いた。


両親が帰ってきて、姉ちゃんの葬儀が終わり、後で聞かされた話しでは、姉ちゃんは本当は入院をしなくちゃいけなかったのをずっと拒否していたそうだ。
弟がまだ学生だから私が居なかったら心配だからって医者に言ってたらしい。


俺はその時に初めて姉ちゃんの想いが伝わって、チームを抜けることに決めた。
天国に居る姉ちゃんにこれ以上は心配させられないと思ったからだ。


俺はチームを抜けてからもチームの連中とはたまには遊ぶが、一緒に走ったりはしていない。





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