嘘とワンダーランド
まさか、クビとかじゃないよね…?

と言うか、クリームあんみつの件がバレたことであって欲しい…。

いや、バレたらバレたで左遷…最悪の場合はクビの可能性もある訳だけど。

と言うか、本当に京やんは何をしたって言うんだ?

本人は身に覚えがないって言ったけど、現に課長に呼び出しされた訳だし…。

ドキドキとわたしの心臓が早鐘を打っている中、
「おめでとう」

課長が言った。

「えっ…?」

「はい…?」

わたしと京やんの驚いた声が重なった。

京やんは訳がわからないと言うように、まばたきをしている。

今度は何が起こったって言うんだ?

何がおめでとうで、誰がおめでとうなんだ?

この場にいる全員は今自分たちがやっている仕事をほったらかしにして、課長と京やんの動向を見ていた。

クリームあんみつの件ではなかったことに、わたしはホッと胸をなで下ろした。

と言うか、業務中に寄り道なんてもう2度とやらない…。
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