嘘とワンダーランド
その日の昼休み。

わたしと京やんは会社近くの『すき家』にきていた。

「牛丼なんて久しぶりだなー♪」

特盛りのねぎ玉牛丼にみそ汁とおしんこのセットを頼んだ京やんは嬉しそうである。

「今日はわたしのおごりね。

デザイン採用、おめでとう」

そう言ったわたしは３種のチーズ牛丼の並盛りである。

「しっかし、安いお祝いだな。

１０００円出せばおつりが返ってくるじゃねーか」

「何よ、わたしなりにお祝いを考えたって言うのに」

ОＬのお財布事情は寂しいから、あまり豪華な料理はごちそうできないのよ。

そう思いながら言い返したわたしに、
「ハイハイ、ドウモアリガトウゴザイマシタ」

京やんはお礼を言った後、箸を手に持った。
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