嘘とワンダーランド
京やんはスマートフォンを器用に操作すると、
「ほら」

わたしの前にスマートフォンを見せると、画面を指差した。

彼が指差した画面をわたしは覗き込んだ。

「ええっ!?」

画面に映っていたその画像に、わたしは目を疑った。

そこに映っていたのは、圭介が女の人と一緒に歩いている画像だった。

女の人の肩をなれなれしく抱いている圭介の顔は、本当に本人なのかと聞きたくなるくらいに情けないものだった。

一緒にいる女の人は髪の色と化粧がとてもハデで、
「こう言っちゃ失礼だけど、若菜とは正反対過ぎるな」

京やんが言った。

そう言った彼に視線を向けたわたしに、
「お前にもちゃんと魅力があると思ってるから」

京やんが慌てたように言った。
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