GOLD BOY〜不良彼氏〜
無言だったのに、いきなり違うとか文句言い出した訳分かんない私を睨む葵。
当然だろう。
優しく聞いてたのに、無視して、いきなり文句言い出したんだから。
それでも私は、止まらなかった。
「葵は何も分かってないよ。あたしの気持ち分かってない」
「ああ、分かんねぇよ。何も話してくんねぇのに分かるわけねぇだろ」
「話さなくても分かってくれると思ってた」
「俺には分かんねぇよ。何も話してくんねぇのに分かるわけねぇだろうがっ」
怒鳴る葵に、私は肩がビクってした。
めったに怒鳴らない葵が怒鳴るってことは、本気で怒ってる。
でも、ここで引き下がったら私の女のプライドが許さない。
「慎悟に話せて俺に話せねぇことって何だよ」
「そこが分かってないんだよ」
「あ?」
「慎悟くんは話さなくても分かってくれるのに、葵は分かってくれないじゃんっ」
慎悟くんの名前を出した途端、私を睨む葵の目が、さらに冷たくなった。
ヤバい。
そう思った…後すぐだった。
「だったら、慎悟と付き合えば?」
冷たくそう言い放ち、重そうに腰を上げると、私の横をスッと抜けて、公園から出ていった。
.