GOLD BOY〜不良彼氏〜



葵と目が合った瞬間、楽しそうにしてた城人くんの表情が一気に気まずそうになった。



「部活ねぇの?」



少し距離をおいた場所で止まったままの城人くんに向かって、葵がボソッと言った。



「テスト期間だからない。つか、何で今日いんの?」


「自分ちにいちゃ悪ぃのかよ」


「別に…、でも、いつもいないじゃん」



城人くんは隣にいる彼女を連れて少しこっちに近づいてきて、葵の目の前に立った。



そして葵をキツく睨んで。



「ヤるだけなんだったら、ホテル行けよな」



そうキツく言って、彼女の腕を引っ張って家の中に入っていった。



い、いま、何て?!

ヤるだけとか………ヤんないし!

勝手に決めないでほしい!



さすが葵の弟なだけある。

エロさと周りを気にしないのは、葵を受け継いでるらしい。



「あいつ……、きっと自分が邪魔されたくねぇから、あんなこと言ってんだろ」



壁に寄りかかってた葵はポケットから煙草を取り出してライターで火をつけた。



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