GOLD BOY〜不良彼氏〜
いつ言おう。
こんな時にもそんなことばかり考えてる。
切り出すタイミングがなかなか見つかんなくて、心の中で『んー…』って連呼してた。
ベッドの上であぐらをかいて煙草を吸ってる葵。
その葵から感じる視線さえも無視しちゃうくらい、私には余裕がなかった。
「前にも言われたことあってさ。『好きな女、危ない目に遭わすんじゃねぇよ』って」
そんな余裕のない私とは正反対の余裕がある葵は、
優しい笑みを浮かべながら、大和さんとのことを、ゆっくりと話し始めた。
「大和さんに、美鈴と付き合ったこと1番初めに言ったんだよ」
「………」
「っつっても、本気で好きになったの………美鈴が初めてなんだけどさ」
「……え?」
「舞子さんと付き合った時は誰にも言わなかった。別れた後、初めてみんなに言った」
「………」
「それは大和さんも分かってた。美鈴と付き合ったこと初めて言った時、言われたんだ」
………頭がついていかない。
頭が上手く回らない。
葵がいったい何を話してるのか………分かりたいのに、頭がついていかなくて分からない。
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