GOLD BOY〜不良彼氏〜



私1人で毒舌カップルにからかわれてから数十分―…。


教室に葵が息切れしながら入ってきた。



「葵どうしたの?」


「健吾のやつ、車で門のところまで来てるっ」



携帯を握り締めたまま、私の鞄と自分の鞄を手に持つと、私の腕を引っ張りだした。



健吾がどうしたの?!

てか何があったの?!

電話の相手健吾だったの?!



腕を引っ張られながら無理矢理廊下を走らされてる私は、そんな事しか浮かばなかった。



「ねえ!どういうこと!?健吾がどうしたの!?」


「俺らを迎えに門の前まで車で来てんだよ」


「ど、どういうこと?迎えに来るなんて行ってなかったじゃん!」


「俺だって知らねぇよ。けど車で来てんから他のやつに迷惑になんだろ。だから追い返す」



追い返す〜っ!?

そんな事出来んの?



そんな考えは、門の前まで行って見えた黒い車から出てくる健吾を見て消えてしまった。



「美鈴ちゃん久しぶりだね」



結婚式ぶりに見た健吾は、何故か結婚式の時と同じスーツ姿だった。


もしかしたら葵の悪友だとしてもちゃんと大学は行ってるのかなくらい思ってたから


私服じゃないことに、ちょっとショックだった。



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