GOLD BOY〜不良彼氏〜
気付けば海の家に向かってる私の歩く速さは自然と速くなってた。
葵と繋がってる電話はまだ繋ぎっぱなしで、葵が何か電話の向こうで言ってるけど無視した。
もしこれで、女だけの客が来てて葵がデレデレしてんなら、私は怒ると思う。
もう今怒ってるけど、
葵が旅行のためにバイトしてるのは分かってたから、真面目にバイトしてたら許そうと思った。
だけど、女がたくさんいる中でアルバイトは正直言ってしてほしくない。
辞めろってわけじゃないし、他のとこにしてってわけじゃないけど
やっぱりいい気はしない。
でも、実際葵のアルバイトしてる海の家を見たとき、私はさっきまでのモヤモヤが一気に消えた。
う……そ。
さっきの……女の声って…。
もしかして…。
「やぁだぁ、祐ちゃんったらぁ。この人より口説き方上手いのねぇ」
「そりゃあ女心は誰よりも分かってますから」
「キャハハ、あたしだって男心と両方分かるわよ」
「中身男ですもんね」
「ま、失礼しちゃう。外見は女にしか見えないでしょ?」
それぞれのテーブルに座ってるのは、ビキニを着た女の人とサラリーマンらしき男の人。
ビキニを着てる人のスタイルは普通の女より遙かにスタイル抜群で美人ばっかり。
サラリーマンらしき男の人は、20代後半から30代前半と見られる。
でも、おかしい。
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