それでもあなたと結婚したいです。

首に腕を回し、いつもと変わりなく藤森は私にじゃれついてきた。


「あははっ!ギブギブ!!」


「参ったか?」


「参りました。」


久し振りの掛け合いに二人で笑い合う。


(良かった………いつもの藤森だ。)


「お前、今頃、休憩って珍しくないか?もう、定時だぞ?」

コーヒーを片手に隣に座った藤森は、飲みながらネクタイを緩めた。

完全にリラックスモードだ。


「うーん。今日は今から接待なんだ。」


「へぇ、どこの?」


「M&J。」


「うわっ、大手じゃん!!」


「そうなの………朝から、イレギュラー続きでヘトヘトなのにこれから接待に随行ですよ………。」


「お前、目が死んでるぞ。そんなんで接待出来んのかよ?」

「あったり前でしょ!!前から準備してたんだから、絶対満足して貰わなくっちゃ!今は死んでるけど、接待になったら、無理矢理にでも、キラキラさせるから大丈夫!!」


「………ははは。お前はやっぱすげーよ。」


「何言ってんのよ!あんたの活躍もしっかり耳に入ってるわよ!!大っきい契約二つも取ったんでしょ?藤森も頑張ってるじゃん!!グッジョブ!!あっ!やばっ、もう時間だ!」


藤森は驚いた顔をして、その後にっこり微笑んだ。


「ありがとな。お前も頑張れよ!」


「うん!任せといて!」


藤森にピースサインで答えて私はその場を後にした。


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