それでもあなたと結婚したいです。

「怪我どのくらい酷いの?ちょっと見せてよ。」


イスに座っている真ん前に白川部長がしゃがむので逃げるに逃げれない。


「えっ?いいですよ!大したことありませんから…。」


「駄目だよ。心配だし………秘書は大切にしないとパワハラって言われかねないからね。ほら、スカート捲って?私がしたらセクハラになっちゃうだろ?」


「えっ?本気ですか?!」


「ほら、労災がおりるかも知れないだろ?見せてみて?」


(労災?マジ?!)


労災に釣られて、恥ずかしいけどスカートを捲って見せた。


「うう~…ん。どうかな?結構深い?絆創膏を剥がして見ないと分からないかな?ちょっと触るよ。」


白川部長は私の膝の内側に手を添えて少し膝を持上げて、そーっと絆創膏の端を剥がし始めた。

膝に息が掛かってくすぐったい。


(んん………早く終わって………恥ずかしい。)


「結構深そうだ。労災の申請出しとくよ。一回病院行って診断書貰っておいで。」


足を持たれたまま私を見上げるように見つめる。

まるで私に跪いた王子様。

ちょっと年上だけど…ね。


(こんなことされてるの女子社員にバレたら呪い殺されるな………。これが、千春さんだったらなぁ………。ヤバイ…こんな事考えてたらまた、ムラムラスイッチ入っちゃうよ。違う事考えよ。今日何食べようかな………)


「花枝ちゃん………俺にそんな顔見せないでよ。おじさんだけど俺だって男なんだから。」


「えっ?」



< 266 / 436 >

この作品をシェア

pagetop