それでもあなたと結婚したいです。

「一体…何の怨みがあるんですかぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。」


ジェットコースターから降り、フラフラの状態で近くのベンチに座る。


「散々、人を巻き込んでおいて、どの口が言ってんだ?」


片手で私のほっぺを両側から挟んで、お仕置きとまで言うように摘まんだ。


「ひょっと!!ひゃめちぇくらさい!!」


「はぁ?何だって?…………あはははっ!なんだこの顔ウケる!!ククッ!」


恥ずかしさと腹立たしさで無理矢理振りほどいた。


「おいっ!いきなり引くなよ!顔に傷がつくぞ!」


「別に平気です!嫁入り前じゃありませんから!!」


「ふんっ………そうだったら俺が責任取ってやったのに………。」

「えっ?」


「ちょっと待ってろ………。」


暫く待っていると、両手に飲み物を持って帰ってきた。


「ほら。炭酸飲むと少しスッキリするぞ。」


「あ…りがとうございます。」


手の中でパチパチと弾けるメロンソーダは久しぶりで懐かしかった。


「この安っちー味………久し振りだわ。」


「美味しい。」


「元気になったんだな………よかった。」


思いも寄らない言葉に桐島を見ると、直ぐ目を逸らされた。

「どうしたんですか?今日は何かいつもと違う。」


「別に………お前が俺を選ばないから腹いせにからかってるだけだ。」


「桐島社長………。」


強がってる癖に、どこか寂しそうな顔をするから、つい気になってしまう。





< 326 / 436 >

この作品をシェア

pagetop