それでもあなたと結婚したいです。

「今年のX'mas………二人で過ごそうと思ってたのに、仕事関係のパーティーのはしごだって言われて…帰りは遅くなるって。ただのX'masじゃないのに………。」


「そっか、………初めてのX'masだもんね。」


力なく頷く。

白川部長でさえ、分かっているのにどうして千春さんは特別に思ってくれないんだろう。

分からないわけじゃない。

優先順位が違うのだ。

分かっていてもやっぱり、ショックだ。


「彼はどう考えているの?」


「実はその日から話してなくて…ずっと冷戦状態なんです。」


「それはいけないなぁ…花枝ちゃんらしくないし。」


「分かってるんですけど、どうしても私からは切り出せなくて…てゆうか私からは謝りたくないんです!!」


「そっかぁ………困ったねぇ。もう、イブだしねぇ。でも、男には仕事も大事だしねぇ。」


白川部長は暫く考えると何かを閃いたのか急に私に振り返った。


「………そうだ!そのパーティーに同伴してみたらどう?奥さんなんだし、問題ないんじゃない?」


「えっ?同伴?」


思いもよらなかったアイデアに扉が開かれた感じがした。


(同伴かぁ!それなら千春さんと一緒に楽しめるかも!)


私はとっさに白川部長の手を握り締めて握手をした。


「白川部長!!ありがとうございます!!私、今から作戦練らなきゃなので先戻りますね?失礼します!」


さっきまで鉛のように重かった足取りが今は羽根が生えたように軽い。


(よ~~し!千春さん!覚悟しておきなさい………びっくりさせてやるんだから!!)




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