恋桜
運命の人



私は正直、咲希から転入生が来ると聞いた瞬間、少し期待をした。

もしかしたら、あの日の男の子かも。

やっと、再開できる日が来たのかも‥なんて。

そんなことばっかり考えて、少し浮かれ過ぎていた。


冷静になって考えたら、そんな夢みたいな話があるわけもないのに‥。

ずっと上の空になっていた自分のことが、今さら恥ずかしく思えた。


こんなことを考えていたなんて、咲希に知られたら、絶対に馬鹿にされる。

そう思った私は、咲希に気付かれないようにと平常心を装った。

すると、そんな私の異変に気付いたのか、咲希が妙な笑顔で近づいてきた。


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