恋桜


ホームルーム終了後、早速、新委員長の顔合わせがあるということで、私は松下君と一緒に会議室に向かうことになった。

こんなにも早くチャンスが来るなんて‥きっと早く確かめるべきなのだろう、私はそう思った。



「あの‥、私の親友がずっと運命の人を探していて、それが松下君なんじゃないかって、私直感で思ったんです。
昔、桜の木の下で女の子と会ったとか、なんか心当たりありませんか?」



私が、初対面の相手に対してとは思えない質問をしてしまった後、何ともいえない沈黙が続いた。

私は、そんな状況に後悔と戸惑いしかなかった。



「‥ごめん。
それは、ちょっと僕には分からない。
でも、野々村さんがそう思ったのなら、きっとその運命の人って僕なんだよ。」



私は、そんな想定外で、意味の分からない松下君の答えに、頭の中が真っ白になっていた。


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