イジワル上司の甘い求愛
私は浦島さんを起きないように注意して物音を立てないように脱ぎ散らかしていた下着や服をかき集めると逃げるように、浦島さんと一晩過ごした部屋を後にした。


時間を見ると、まだ先ほど夜明けを迎えた時刻。

空にはまだ低い位置にある太陽が、私のモヤモヤした気持ちとは裏腹に嫌味なほどにキラキラと輝いている。


「さよなら、太郎さん」


私は空に向かって、呟く。

こんなに好きなのに。
大好きなのに。


だけど、浦島さんには幸せになって欲しい。



下を向いたら、涙が零れることなんか分かりきっていることだったから、私は空を見上げて歩いた。

それでも、胸が引き裂かれるほどの痛みのせいで自分の家に着いた時には、玄関先で動けなくなって私はその場にしゃがみ込んで声をあげて泣いた。


子どもみたいに、ずっと泣いていた。

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