【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
結城くん……。
「だからさ、友達になろ、大原」
なんで私は、結城くんのこと勘違いしてたんでしょう……。
見た目は怖くなったけど、昔から不器用で、だけど本当は優しくて。
そうです、
そんなところに憧れてたんです。
「ぐす……っ。
あ、ありがとうございますっ……」
涙をごしごし制服の袖で拭っていると、こちらに視線を向けた結城くんがふっと吹き出し、微笑を浮かべた。
「何また泣いてんだよ、泣き虫」
懐かしい、君の笑顔。
そう、知ってます。
昔から、笑うと目が細くなるせいか幼く見えるってこと。
結城くんが、私の頭に優しくぽんと手を乗せる。
そして、君がくれた言葉は、私の世界をまた動かし始めた。
「また、あん時みたいに笑顔見せてよ、大原」
あぁ…
こんなにも胸がいっぱいいっぱいなのは、初めてです。
最後の涙がこぼれるのと同時に、心から笑みが溢れた。
* * ・ * ・ * *