【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜


「そういえば、未央ちゃん。

さっきから時計気にしてるけど、誰か待ってるの?」




「あ、はい、お友達を……」




「え?」

と、春樹くんが目を丸くする。




「女子はもう揃ってるって華恵ちゃんが言ってなかったっけ」




「あ、お友達っていっても、男の子なんです」




「男の子?」




「はい!

強くてでも優しくて、かっこよくてスーパーマンみたいな人なんです!」




結城くんのことを考えたら思わず頰が緩んで、

その笑顔を春樹くんに向けると、




「……っ」




春樹くんの笑顔が不意に曇った気がした。




と、その時。




「春樹ー!

今日の主役はこっち来いよー!」




向こうのテーブルの方から、春樹くんを呼ぶ男子の声が聞こえてきた。




「あ、うん!」


そう答えつつ、春樹くんが私の方に目を向ける。




「ごめん、俺行ってくるね」




「はいっ!」




「じゃあまた、学校で」




爽やかな微笑みを残し歩いていく春樹くん。


< 83 / 244 >

この作品をシェア

pagetop