あの日の桜はⅡ【大幅修正中】

 ガチャっ

 と玄関を開けドアを閉めた後、私はずるずると力なくへたり込んでしまった。

 
 ドアに体を預け、頭を抱えた。


 帰ってくるまでの記憶がはっきりしない。

 
 それだけ、動揺しているという証拠だった。



 わかってるのに。


 あそこで、

 あんなタイミングで抜け出したりなんかしたら確実に怪しまれることはわかってたのに。


 
 どうしても。


 私は“あれ”を見たうえで平常心であそこに入れる自信がなかった。

 
 思いっきり唇をかみしめた。

 口の中に鉄の味が広がる。

 
 吐き出す息も震えていた。


私は自信を抱きしめるように服を強く握りしめた。


「・・・もうやだ」

 久しぶりに吐いた弱音は自己嫌悪だった。



 神様はどうも、私をいじめたいみたいだ。

 
 それとも______


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