クールな溺愛彼氏様⁉︎



「んん!?」




地面に叩きつけられるように転がされる。
身体を起こそうとした時には、お腹の上をまたがれ、押さえつけられていた。




「――――ッ!!」



恐怖に暴れるけど、押さえつけられていて身動きが取れない。
視線を向けると、私を抑えつけているのは、あの常連さんだった。

いつもおどおどしていた普段の様子とは違い、頭に血が上っているのか、目が血走っていた。



怖い。




「この淫乱女!俺を弄びやがって!」




男はそう言うと、拳で私の頬を殴った。
鈍痛に顔をしかめる。
恐怖に声も出なかった。




「おれに笑いかけたくせに!ハンカチだって!嬉しそうに受け取っただろ!それなのに!他の男にもヘラヘラしやがって!」





男は叫びながら、私を殴りつける。
口の中に、鉄の味が広がった。




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