私にモテ期がやってきた
ちょっと前まで、私も大和先輩をこんな表情で見つめていたのかな。
そう思うと、ちょっと恥ずかしいかも…

そんなことを考えているうちに、フリースロー大会は杉田が優勝して、朝の自主練が終わった。

みんながボールを片付けたのを確認すると、くるみと一緒に教室に向かう。
3組の前でくるみと別れて教室に入る。

「智美おはよう」
美里が声をかけてくれる。
「おはよう」と返しながら、机に鞄を置く。

隣の杉田は、すでにノートと筆箱を出している。
さすが!
いつも試験ではトップ5に入っている優等生。

そうしているうちに担任が来て、HRからそのまま1時間目に入る。
昨日の宣言通り、出席番号順に自己紹介をする。

1学年8クラスもあると、ほとんどが"はじめまして"状態である。
そんな中、面白おかしく自己紹介する人?緊張している人?中には無愛想な人など様々である。

私は無難に、
「佐伯智美です。男子バスケ部のマネージャーをやっています。よろしくお願いします」
と言ってお辞儀をした。

たぶん、"男バスのマネージャー"に反応して、
「啓太先輩の妹?」
「あの人でしょう、大和先輩の彼女って…」
「なんか、普通だよね」
と、囁く女子の声が聞こえる。

言われるのは覚悟してたけど、そこまでがっかりした感じで言われると、ちょっと悲しくなった。




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