誰にも内緒の溺愛旦那様
薬品の匂い。
それで目が覚めた。
病院にいた。
点滴が左腕のほうにあった。
まだ少し、視界がぐらぐらする。
「どう?具合は」
そう話しかけられて人が立っていることに気がついた。
あれ、どこかで……見たことある…ような………
「俺がここまで運んだ。迷惑かもしれなかったけど、人が倒れたのを黙って見過ごせなかったからね」
「え、あの、あっえっと、そのっ……あ、あ」
「ひょっとして俺のこと知ってるんですか」
しっ、知ってるもなにも…!!!
「役者やってる、鳴海颯です」