強引上司の溺愛トラップ
「おう! 四月に入ったばっかなんだってな! まあ、とりあえず座れ!」

私から興味の逸れた係長は、すぐに私から離れ、一島くんに隣に座るように促した。


一島くんも、笑顔で係長の隣に座る。
でも、私に気を遣ってくれたのか、私と係長の間にそっと入った。


いや、気を遣ってくれたなんて私の自惚れかな……すぐにそう思い直そうとしたけど。


「ここは俺に任せてください」

私にだけ聞こえるように小声でそう言われ、ドキッとしてしまった……。


彼の笑顔は、いつもの可愛い笑顔……なのに、どこかカッコ良くもも見えた……。



「あ、ありがとう」

照れてることを気付かれないように、何とか冷静にそう返すと、私は係長にバレないように、こっそりと匍匐前進気味で自分の席へと戻ろうとした。



その途中で、誰かの足元が視界に入る。




「何の訓練だ、それは」

その声に顔を上げると、そこにいたのは桜課長だった。
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