イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
《17》イノセント

菜穂side~

ビル内にあるレディースクリニックで妊娠の有無を確かめた。


「これが赤ちゃんね・・・」

広場のベンチに腰を下ろし、二人で結愛さんの赤ちゃんのエコー写真を眺める。

悪阻で気分の悪い結愛さんのお昼はミネラルウォーターのみで済ます。
私は『ヘンリーズコーヒー』でコーヒーとベーグルサンドをテイクアウト。

久し振りに会う原店長が『元気か?』
私と悠真さんの婚約する同僚は『婚約おめでとう』と声を掛けてくれた。

私の嘘もバレてしまった。

その私の嘘には全く触れず、出社した悠真さん。


帰宅する悠真さんにどんな顔をしよう。



私がベーグルサンドをモグモグと咀嚼していると風がスーッと吹き抜けた。


「あっ!?」


結愛さんの持っていたエコー写真のコピーが風に煽られた。


「私の赤ちゃんが!!?」

結愛さんが腰を上げて、コピーを追い駆ける。


< 143 / 235 >

この作品をシェア

pagetop